2025.11.03

【浮気調査の流儀】浮気相手の職場を特定する方法と「乗り込み」の法的リスク|金沢・富山の老舗探偵が解説

「あの人の職場に乗り込んで、すべてをめちゃくちゃにしてやりたい」

パートナーを弄び、家庭の平穏を土足で踏みにじった、憎い相手。その人間が、何食わぬ顔で社会の一員として働き、給料を得ているという事実。許しがたいその怒りから、そうした激情に駆られるお気持ちは、私にも痛いほどに分かります。失われた信頼、受けた心の傷を思えば、相手にも相応の社会的制裁を与えたいと願うのは、むしろ自然な感情かもしれません。

しかし、その燃え盛る怒りに身を任せる前に、一度だけ、立ち止まって私の話を聞いてはいただけないでしょうか。
その、あなたが「正義の鉄槌」だと思っている一歩が、実はあなた自身を「被害者」から「加害者」の立場へと転落させ、本来得られるはずだった正当な権利さえも根こそぎ奪い去る、猛毒となり得ることを、ご存知ですか。

私は桂木紀子。半世紀以上にわたり、こうした男女のトラブルの、数多くの結末を見届けてまいりました。今日は、怒りという感情と、いかに冷静に向き合うべきか。そのための、重要な知識をお話しいたします。

我々は、こうして相手の職場を特定する

まず、我々プロの探偵が、どのようにして浮気相手の職場を特定するのか、その手法について簡単にご説明しておきましょう。これは、決して違法な手段や、特殊な情報網を使うわけではありません。あくまで慰謝料請求のための身元調査の一環として、すべては法律の範囲内で、地道な調査を積み重ねた結果なのです。

手法1密会からの追跡

最も確実で、王道とも言える手法です。ご依頼者様から提供された情報に基づき、あなたのパートナーと浮気相手が密会する現場を押さえます。そして、二人が別れた後、我々の調査員は浮気相手の追跡を開始します。相手が車や電車をどう乗り継ごうとも、決して見失うことなく、その人物が最終的に「職場」という目的地にたどり着くまで、緻密な尾行を続けるのです。

手法2自宅からの追跡

すでに相手の自宅住所が判明している場合は、より確実性が増します。平日の朝、相手が家を出る時間に合わせて張り込みを開始し、その通勤経路を追跡することで、勤務先を特定します。単純なようでいて、相手に気づかれることなく、日々変わる通勤路にも対応するには、熟練した技術と経験が不可欠です。

手法3情報からの分析

時には、ご依頼者様から合法的にご提供いただいた、断片的な情報から勤務先を割り出すこともあります。例えば、相手の車の名義や、SNSに投稿された写真の背景に写り込んだ特徴的な建物、会話の中で漏らした業界用語など。それらの情報を専門の分析官が解析し、候補となる企業をリストアップした上で、最終的には現地での内偵調査によって裏付けを取るのです。

その一歩が罪になる。「職場への乗り込み」という名の犯罪行為

さて、ここからが本題です。
こうして特定された職場に対し、怒りに任せて乗り込むという行為がいかに危険なものであるか。あなたの正義は、会社の門をくぐった瞬間、音を立てて崩れ去り、犯罪行為へと姿を変えるのです。こうした自分で直接行動することがいかに危ういか、心して聞いてください。

リスク1会社の敷地に入った時点で「建造物侵入罪」

まず、知っておいていただきたいのは、たとえ受付があるようなオープンなオフィスビルであっても、許可なく立ち入ることは「建造物侵入罪」に問われる可能性があるということです。受付で訪問の目的を告げ、担当者以外とは話せないと断られているにも関わらず、その場に居座ったり、勝手にオフィスフロアへ進んだりする。その行為だけで、あなたはすでに法を犯しているのです。

リスク2同僚や上司に話した時点で「名誉毀損罪」

「この会社の〇〇さんは、私の夫と不倫しているんです!」。この一言を、相手の上司や同僚といった第三者に告げた瞬間、あなたは「名誉毀損罪」という重い罪を背負うことになります。いわゆる「浮気相手の会社にばらす」という行為が、なぜ罪になるのか。驚かれるかもしれませんが、日本の刑法では、たとえそれが真実であったとしても、公の場で他人の社会的評価を低下させる具体的な事実を告げれば、名誉毀損は成立するのです。

リスク3「謝罪しろ」と迫った時点で「強要罪」

相手を会議室などに呼び出し、「ここで謝罪しろ」「念書を書け」と迫る。これもまた、極めて危険な行為です。相手が恐怖心から、あるいはその場の雰囲気に圧倒されて、意に沿わない謝罪や書面への署名を強いられた場合、あなたの行為は「強要罪」にあたる可能性があります。相手の自由な意思決定を、恐怖や圧力によって妨げることは、決して許されないのです。

リスク4行為がエスカレートすれば「威力業務妨害罪」「脅迫罪」

もし、あなたが感情の昂りを抑えきれず、オフィスで大声を出したり、長時間にわたって居座ったりすれば、会社の業務を妨害したとして「威力業務妨害罪」に問われます。さらに、「このことを家族や親戚にばらすぞ」といった言葉を発すれば、それは「脅迫罪」という、さらに悪質な犯罪となるのです。職場への乗り込みには、これほどのリスクが伴います。

賢者は「情報」を力に変える。職場を特定する真の目的

では、我々が多大な労力をかけて浮気相手の職場を特定するのは、一体何のためなのでしょうか。それは、感情的な報復のためでは断じてありません。法という社会のルールに則り、あなたの正当な権利を、最も確実かつ効果的に実現するため。そのための、強力な「武器」として活用するためです。

目的1確実な「慰謝料請求」の第一歩として

職場が特定できれば、弁護士を通じて「内容証明郵便」という、極めて公式な書面を相手に送付することができます。自宅に送るよりも、職場に届く方が、相手に与える心理的な圧力は計り知れません。これは「こちらも法的な準備ができていますよ」という明確な意思表示であり、相手を無視できない話し合いのテーブルへと着かせるための、最も効果的な第一歩となるのです。

目的2約束が守られなかった際の「最終手段」として

慰謝料を支払うという合意がなされたとしても、残念ながら、その支払いが途中で滞るケースは少なくありません。しかし、相手の職場さえ分かっていれば、あなたには「給与の差し押さえ」という、極めて強力な法的手段が残されています。裁判所を通じて、相手の会社から給料の一部を直接支払ってもらう。これこそが、あなたの権利を最終的に保障する、最大の切り札です。その意味で、職場を特定することの価値は、計り知れないものがあると言えましょう。

目的3交渉を有利に進めるための「切り札」として

相手の職業が、例えば公務員や教師、医師といった、社会的な信用を重んじるものであった場合、職場の情報はさらに大きな意味を持ちます。彼らは、不倫の事実が職場に知られることを極端に恐れるでしょう。その心理は、慰謝料の金額交渉や、今後の関係を断ち切らせる誓約を交わす上で、静かな、しかし絶大な圧力となり、交渉をあなたに有利な形で決着させるための、強力な切り札となるのです。

一人で戦わないで。まずは胸の内をお聞かせください

怒りという名の炎は、使い方を誤れば、ご自身の身をも焼き尽くす、恐ろしいものです。しかし、その炎を正しく導き、冷静に燃やすことができたなら、それはあなたの未来を明るく照らす、力強い光ともなり得ます。

相手の職場で感情をぶちまけるという、一瞬の自己満足。そして、法に則ってあなたの権利を堂々と勝ち取るという、生涯にわたる尊厳の回復。あなたが本当に選ぶべき道が、どちらであるかは、もはや言うまでもないでしょう。

「浮気相手の職場を特定する方法と『乗り込み』の法的リスク」のポイントまとめ

今日、私がお話ししたことを、もう一度心に留めておいてください。

  • 探偵は、尾行などの合法的な手法によって、浮気相手の職場を特定する。
  • 職場への「乗り込み」は、建造物侵入・名誉毀損・強要罪など、複数の犯罪に問われる危険な行為である。
  • たとえ事実であっても、不倫を第三者に暴露する、いわゆる「会社にばらす」行為は名誉毀損罪になりうる。
  • 職場情報は、慰謝料請求のための「内容証明郵便」を送付する際に、絶大な効果を発揮する。
  • 支払いが滞った際の「給与の差し押さえ」を可能にすることこそ、職場を特定する最大の目的である。

その許しがたい怒りを、決して無駄にしてはなりません。最も賢明な形で、あなたの正義を実現するために、我々専門家がいます。感情に流される前に、まずは一度、その胸の内をお聞かせください。

ご相談は無料です。あなたの状況を冷静に分析し、最も確実な一歩を踏み出すためのお手伝いをさせていただきます。

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