書籍紹介

第5章 されど女は強い ⑥ 暴力に耐えて 117P

まあ、彼女はこんな凄(すご)い暴力に耐えてきたものと感心しながら、同時にW男の、もだえ苦しみながらやり場のないまま、蟻(あり)地獄にどんどん落ち込んいく姿を思い浮かべて、誰がそうさせたのかと考えつつ、なんともやり切れない気持ちに陥ってしまった。

余談であるが、男と女には、生物学的にみても本質的な大きな違いがあって、「男には女の気持ちがわからない、女には男の気持ちが分からない」という現実がある。が、話し合いでは解決の余地があるものの、暴力は頭からそれを否定するものである。

これまで、「夫婦喧曄は犬も食わない」と軽くみられた夫の暴力が、平成13年に「ドメスティックバイオレンス(DV)法」が制定され、夫婦間でも暴力は犯罪であると明確にされた。

特に北陸のような保守的な地域では、T子さんのようなケースは氷山の一角であり、こうしてつらく長い苦痛に耐えている、よく似た被害が私の聞知しただけでも数多くある。そこで、これが原因で離婚する場合

続く・・・

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