2025.09.16

【浮気調査の流儀】夫の死後、愛人が発覚|金沢・富山の老舗探偵が解説

はじめまして。探偵の桂木紀子です。
昭和39年より、この石川・富山の地で人の心の光と影、そして絡み合った男女の縁を見つめ続けてきました。人の一生には、時に小説よりも数奇な、そして残酷な真実が隠されているものです。

長年連れ添ったパートナーに先立たれる。その悲しみは、経験した者でなければ到底わかり得ない、深く静かな痛みでしょう。しかし、遺された品々を整理する中で、その悲しみを怒りと絶望に変えるような、最後の裏切りを知ってしまったとしたら…。

夫の死後、遺品から愛人の存在が発覚した。この許しがたい裏切りに対し、せめて相手に償いをさせたいが、夫が亡き今、それは可能なのだろうか」。

今日は、そんな行き場のない怒りと疑問を抱えるあなたのために、感情論ではなく、法という客観的な物差しの上で、何が可能で、何が不可能なのか。そして、ご自身の尊厳を取り戻すために、いかに論理的に事を進めるべきかをお話ししようと思います。

夫が亡くなっていても、不倫相手に慰謝料請求は可能か

まず、結論から申し上げましょう。パートナーが亡くなられた後でも、その不倫相手に対して慰謝料を請求することは、原則として可能です。

「亡くなった夫の代わりに請求するのか」と問われれば、そうではありません。これは、法的には全く異なる理屈に基づいています。

不倫、すなわち不貞行為は、あなたの「婚姻共同生活の平和を維持する権利」を侵害する「不法行為」にあたります。これは、亡きご主人と不倫相手の二者による、あなたに対する共同の加害行為と見なされるのです。
日本の法律、民法第709条(不法行為による損害賠償)に基づき、あなたご自身の権利として、精神的苦痛を与えた加害者の一人である不倫相手に対し、償いを求めることができる。これは、ご主人の生死に関わらず、あなた自身が受けた心の傷に対する正当な権利なのです。

慰謝料請求が可能となる「4つの論理的条件」

ただし、請求する「権利がある」ということと、「実際に請求が認められる」ということは、イコールではありません。感情的に相手を詰っても、事態は動かない。請求を成功させるためには、以下の4つの論理的な条件を、客観的な事実をもって満たす必要があります。

条件1不貞行為の明確な証拠

最も重要なのが、感情や推測ではなく、「不貞行為があったことを証明する、揺るぎない証拠」の存在です。今回のご相談のように、故人の遺品から性行為を直接示すような写真が見つかった場合、それは肉体関係を証明する極めて強力な証拠となります。また、長期間の関係性を示す手帳や日記、手紙なども、不貞行為の期間や悪質性を立証し、慰謝料の金額を左右する上で重要な意味を持ちます。辛いことではありますが、それらの品は決して感情的に処分せず、冷静に保全してください。

条件2不倫相手の特定(氏名・住所)

当然のことですが、慰謝料を請求するには、その相手が「誰で、どこに住んでいるのか」を正確に把握していなければなりません。名前がわからなければ訴状を送ることもできず、住所がわからなければ連絡を取ることさえ叶わない。故人の遺品に下の名前や古い住所のメモが残されているケースは少なくありませんが、それだけでは不十分です。法的手続きを進めるための、正確な氏名と現住所の特定が不可欠となります。これについては、後ほど詳しくお話ししましょう。

条件3時効が成立していないこと

慰謝料を請求する権利には、「時効」という時間的な制約が存在します。
これもまた、日本の法律である民法第724条(不法行為による損害賠償請求権の期間の制限)によって定められています。

重要なのは、「不倫の事実」と「相手の身元」の両方を知った時から3年という期間です。パートナーの死後に初めてその事実を知ったのであれば、通常はその知った日から時効が進行します。悲しみに暮れている間にも、時間は刻一刻と過ぎていく。この事実を、冷静に受け止めねばなりません。

条件4相手の故意・過失

最後に、不倫相手が「あなたのパートナーが既婚者であると知っていた(故意)」、あるいは「少し注意すれば知ることができたはずだ(過失)」という事実も必要です。ただ、これも長年にわたる関係であった場合、通常は「知らなかった」という言い分が認められる可能性は極めて低いでしょう。

相手の身元確認と証拠の補強。探偵という合理的な選択

さて、これらの条件の中で、ご遺族が独力で乗り越えるのが最も困難な壁が、先に述べた「不倫相手の特定」です。古い住所や下の名前だけを手がかりに、一般の方が個人の正確な身元を突き止めるのは、現実的にほぼ不可能です。ここで、私たち探偵という存在が、あなたの論理的な一手となり得るのです。

ポイント1住所からの居住確認・氏名特定調査

私たちは、あなたが手にされた断片的な情報を基に、合法的な範囲で身元調査を行います。現地での居住実態の確認、表札や郵便物からの情報収集、あるいは細心の注意を払った周辺への聞き込みなどを通じ、その人物が現在もそこに居住しているのか、そして正確な氏名は何かを特定します。これは、感情的な復讐のためではありません。あなたの正当な権利を主張するための、必要不可欠で合理的な手続きなのです。相手の身元を特定する調査についてご興味があれば、別の記事で詳しく解説しています。

ポイント2既存証拠の裏付け・追加証拠の収集

また、お持ちの写真や手帳はそれ自体が有力な証拠ですが、万が一、相手方が「故人から無理矢理関係を迫られた」などと事実を歪めて争ってきた場合に備え、追加の調査で証拠を補強することも可能です。例えば、二人が親密に交際していたことを示す第三者の証言を得るなど、既存の証拠を客観的に裏付けることで、あなたの主張をより強固なものにできるのです。こうした地道な作業には、信頼できる探偵の選び方が重要になってきます。

一人で戦わないで。まずは胸の内をお聞かせください

「夫の死後、愛人が発覚」のポイントまとめ

今日、私がお話ししたことを、もう一度心に留めておいてください。

  • 死後の慰謝料請求は、原則として可能である。
  • 請求には「証拠」「相手の特定」「時効」「相手の故意・過失」の4つの論理的条件を満たす必要がある。
  • 中でも「相手の特定」は極めて重要であり、専門家である探偵の調査が有効な一手となる。
  • 時効は「事実と相手を知った時から3年」。悲しみの中でも、冷静に時間を意識する必要がある。

パートナーに先立たれた深い悲しみの中で、さらにその裏切りを知るという経験は、筆舌に尽くしがたい苦痛でしょう。ですが、その怒りや悲しみを抱えたまま、残りの人生を過ごすことが、あなたにとって本当に良いことでしょうか。

真実と向き合い、然るべき償いを相手に求めることは、決して故人を貶める行為ではありません。それは、長年連れ添い、支えてきたあなた自身の尊厳を守り、心の平穏を取り戻すための、正当な権利であり、一つのけじめのつけ方です。

もし、あなたがその一歩を踏み出すことに迷い、どうすれば良いかわからないのであれば、一度、私たちにその胸の内をお聞かせください。ご相談は無料です。半世紀にわたり人の業を見つめ続けてきた者として、あなたの状況を冷静に分析し、最も合理的で、あなたが後悔しないための道筋を、共に考えさせていただきます。

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