書籍紹介

第3章 移り行く女性像 ⑤ 戦中期 047P

自殺の道具を揃えて、「誰に頼る術もない、生きるということは、ドタン場にくると自分一人だ」と覚悟したという。

それから、永田ことポンド・ガールの人生は、文字どおり日本と中国、満州、朝鮮を東奔西走しながら波乱万丈であった。

著書には、

「命からがら帰国するや、昭和七年に発生した、あの五・一五事件で、かねてから当時の首相犬養毅邸に出入りしていたことから、反乱軍に協力していたという巻き添えで、憲兵隊に拘禁されてリンチを受ける」

と記してあり、また

「昭和十七年十二月、飛ぶ鳥を落とす勢いの東条首相に、報告される戦況と現状のギャップを苦言したところ、『貴様っ、黙れっ、女子どもが軍政にくちばしをいれることはない、恐れ多くも大本営のご威信をなんと心得る』と怒鳴られ、駆けつけた憲兵隊に顔がひん曲がるほど殴られ、うずくまった私を『貴様っ!』とばかりにけったり踏んだり……」

とあるが、今流の夫に頬の一発や二発殴ら

続く・・・

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