書籍紹介

第3章 移り行く女性像 ③ 武家社会 040P

から、「うちの嫁は家風に合わない。お前は家名を汚す気か」と説教される、それならまだしも「父親の血統にならない女子を、何人生んでも家の跡取りになれない」と家を出ていくか、それとも夫に「妾」という二号を持たすかの、二者選択を押しつけられる。

いわゆる、「借り腹」というもので、妾が男子を生めば出て行かなくてよい、となれば、我慢しなければならない。

そういう妾も、今でこそ囲われ者といって卑しい女のイメージしか浮かばないが、この時代はそうではなかったのだ。

夫からみて、本妻と同格の身分を持っていたのである。

そして、生まれた子供は、本妻も実子と同じように愛情を傾けるべきだし、妾の子も実母と同じようにして、本妻に仕えるべきである、と説いている。

一方、女がこっそり浮気してできた子は、父の血統を継いだ子でないので、「不義密通の子」として、もちろん認知なんかしてもらえるはずがなく、生涯日陰の身として生きていかなければならない。

公家や殿様などは、みな本妻(正室)のほかに妾(側室)を

続く・・・

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