書籍紹介

第7章 女の目から見た男たち ② 男の後ろ姿 154P

NHK大河ドラマが契機となって、「前田利家」については、あらゆる視点や角度から論じられているが、ある作家によれば「いい人が、いいことをした」という話はドラマになりにくいという。

昔のような美男美女や、人生の指針にしたいというような主人公ではおもしろ味がなく、個性があって、敵がいて、劣等感に悩んで、女性にも問題があった、そんな主人公がべストらしい。

もっとも、最近の子供さえ、桃太郎や金太郎の童話には興味を示さないし、二宮尊徳の苦労や努力話より、ウルトラマンなどのテレビ画面に食いついて、そのタロウがやっぱり外の子供と同様に悪戯(いたずら)をして、ウルトラの父や母に叱られながら成長していき、やがて怪獣をやつけるまで逞(たくま)しく成長する、それに興味津々の時代である。

大人だってそう、フーテンの寅さんを応援するように、その人物に何らかの欠点があったほうが、かえって共感とか親近感が湧いて、人物像が生き生きと見えるものである。

♪俺がいたんじゃ、お嫁に行けぬ
わかっちゃいるんだ、妹よ
意地は張っても、心の中じゃ
泣いているんだ、兄さんは……

続く・・・

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