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北國新聞「しごと図鑑」に掲載されました

北國新聞掲載記事=平成04年07月

「依頼されたことはどんなことでも調査する」と金沢市泉本町で二十年以上探偵事務所を開く桂木紀子さんは興信所の性格を語る。

よく相談を受けるのは、結婚身上調査と素行調査。十年前は妻が夫の浮気を疑うことが圧倒的に多かったのに、ここ五、六年は、まじめで仕事一本やりの夫による四十歳前後の妻の素行調査が増えてきているという。ほかに職場での評価を知りたい二十代後半から三十代の男性が自分自身に関する調査を頼んだり、会社が引き抜きを考えている人材の調査を依頼してくるケースも増えている。

依頼のスタートは、面談。事情を話し金額を見積もってもらう。金額が合わない場合、この時点でやめることもできる。

相場は自分を調査してもらう時で五万円程度。結婚身上調査の場合、金沢市内で七万円。北海道まで調査に行くと三十六万円程度。素行調査の場合は、ケースがあまりに多様なので「十日から二十日の間で解決するもので三十万から四十万円が一つの目安」と話す。都市の物価価格などから全国統一料金はまだないものの日本調査業協会で基準作りを検討している。

協会加盟事務所ではむやみに金額を釣り上げられる心配はないという。加盟する時探偵自身の前科の有無など細かい審査が加えられるからだ。石川、富山の同協会所属の事務所は五ヵ所。桂木さんの事務所の社長が同協会北陸支部長を務めている。

桂木さんの事務所では結婚身上調査は中年の女性が聞き込み調査をする。この場合は事務所の名刺は出さず「うちの娘(息子)に今度お話があったので」と親族を装い、警戒心を解く。報告書が十四ページにもわたるこの調査の中で、特に難しいのは、本人の性格。「まじめでおとなしい人といっても、暗い雰囲気なのか、その裏にはどんな性格があるのかわからない」と言い、長所を裏返せばどうなのかをも報告している。

素行調査は、一件について三、四台の自動車で尾行調査し、ホテルやアパートに二人で入って電気が消えたなど、男女関係の証拠をつかむ。「続けて尾行をするとばれやすいので間隔をあけて四、五回調査します。」

こういった現状から依頼する時のポイントとして桂木さんは次の二つをあげる。

一つは頼みっぱなしにしないこと。今日は会合で遅くなりそうだとかいつ出張だとか、家の中の状況を探偵に知らせれば、それだけ早い解決につながる。もう一つは依頼前に本人を問い詰めないこと。すぐばれる嘘が多くなる、ひんぱんに行き先を言わずに出かける、帰宅時間が乱れる、年がいもなく若々しい衣服を着るなどが浮気の兆候。桂木さんはこれらに心当たりがあればプロに相談することを勧める。

素行調査で桂木さんは最近、現代の女性の強さを痛感するという。「頼みに来るとき、総じて女性はかっか、男性はしょんぼり。支払いにしても女性は思い切ってへそくりで支払う。しかしボーナスも給料も妻に握られている男性は、二、三回払いになることも」。調査結果を受け取りに来るときも、女性はすっきりとした表情で来るという。

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