中日新聞「石川の女(ひと)」に掲載されました

中日新聞掲載記事＝昭和52年11月10日

「夫の浮気を突き止めて」
「婚約者の素行を調べて」

相次いで依頼が舞い込む。張り込み、尾行、聞き込み。
目標に向かって目、耳、神経をフル回転してスピード解明する。

その行動は事件に取り組む刑事さながら”夜うち、朝がけ”の二十四時間体制。暗闇にひそんだり”くノ一”ばりのスリルや冒険も多い。もう十年も前の話だが、旦那様の”浮気悲話”が友人間や知人など身辺で続発し、世の男性への女の敵意識がムラムラ。

金沢の女探偵第一号となった。

「女だてらに」と陰口もされたが、一件落着で喜ぶ依頼者に励まされて”為せば成る”の自信がもりもり。体験が知恵を生み、持ち前の凝り性が鋭い感をみがいて、仕事の成功率は年ごとに上昇した。最近は妻の浮気調べの依頼が急増している。

「困っちゃった」とかつては貞淑だった加賀女の変心を嘆くことしきり。（金沢市泉本町）