書籍紹介

第7章 女の目から見た男たち ⑤ 古くて新しいもの 173P

ないことぐらい、大抵の国民は承知しているのだが……。

そこで田中真紀子さんが、国民の指示を受けて改革に乗り出した。が、あの怪しげな髭(ひげ)を生やした官僚らが、武士の風格でも身につけているとでも思い上がっているのか、その外見とはほど遠い、女々しいバッシングや秘密文書公開とやらで、古い組織にしがみつくようにして抵抗をし続けた。

もし、この場面で時代劇なら水戸黄門なんかが出てきて、「お主らは、国家を見捨てたのだ」とやり込め、問答無用で切腹ものであるが、「家族も家庭もあるのだし、武士の情けで……」なんて、見え隠れするような身内のかばい合いでは、「下手な芝居は、もうごめんこうむりたいたい」といいたくもなるというものである。

もちろん、「武士の情け」は時には必要であろう。しかし、私が読んだ時代小説には、男としての品格と信念を備えたものが、その世界のぎりぎりの部分で見せる本音の部分である、と記してある。

そもそ

続く・・・

  |  

Return to Top ▲Return to Top ▲