書籍紹介

第4章 現代女性の悩み ③ 結婚観にズレがある 068P

秋の稲穂が一面みごとな黄金色に輝く石川平野。その中心に位置する松任市は、豊かな収穫で、今も昔も県内一の穀倉地帯である。

点在する旧の集落には、かつての農家の権勢を受け継いでいるような、豪勢な建物が目につき、また、次々と造成されていく新興団地を見ると、この一帯では稲穂の延長線上で、田が本物の黄金を咲かせるように、、羨(うらや)ましい限りの土地成り金を生み出しているように見てとれる。

この地のシンボル的存在で、「朝顔や つるべとられて もらい水」と詠んだ、高名な俳人「千代尼」は、300の昔、表具師の娘であったという。

18歳で金沢に嫁ぎ、一年余で夫と死別、今流の未亡人で間もなく実家に戻って、生涯独身を通し、俳句一筋であったというが、俗な言い方をすれば、何かと偏見で見られる時代に、それがなしえたのは、きっと恵まれた経済的基盤があったからであろうと想像してしまう。

都会のように、いろんな地方からやってくる者が、風習の違いを超えて、まるで盛り合わせのサラダのような生活しているならいざ知らず、この地方には、まだまだ結婚について、旧世代的偏見を持った親たちが少なくない。

「新しいものを生み

続く・・・

  |  

Return to Top ▲Return to Top ▲