書籍紹介

第2章 石川の女性 ④ 加賀の特性 031P

されるようになった頃でのことである。

男の縄張りであった遊び場を浸食するように、興味と好奇心もった女性たちが、わんさと押しかけ、どこの温泉地でも、何々会とかサークルのグループが、新たな客層となって賑わった。

そして、享楽的というイメージとダブッて、各旅館のホールでは、薄暗いライトのもとで、男女がぴったりと体を寄せ合ってダンスを楽しみながら、甘いムードに酔う、そんな怪しげな雰囲気が見られたものだ。

ダンスが終わり、パッとホールが明るくなって、夢から現実に引き戻されると、「なんであんなハゲや出っ腹と、いったい私は誰だったのでしょう」てなことになるのだが、実際人間なんてロにいうほど強くなく、周りの雰囲気や環境に簡単に染まってしまう脆さがある。

そこで問題を引きずるものと、そうでないものとの差異が出てくる。

その決定は、トランプのカードを切るようなもので、相手のカードにイチかバチかと掛けたものは、いつも裏目に出て、その結末は悲惨であったことはいうまでもないが、言い換えれば、そんな事件もやはり夢がある地域だからこそ生じるものと思う。

続く・・・

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